聖書の特徴を踏まえて読む その12018年11月04日

私に悟りを与えてください。私はあなたのみおしえを守り、心を尽くしてそれを
守ります。                       詩篇 119篇34節 
 
前回は聖書を読む上での前提となる「聖書的世界観」について説明しました。それでは実際に聖書を読み、理解するための手助けとなる、聖書の特徴や性質について見ていきたいと思います。初めて聖書を読む人から、「聖書は難しい」という感想をよく頂きます。確かに新約聖書の最初、マタイの福音書はイエス・キリストの系図、そしておびただしい人名から始まるので、面食らう方が多いでしょう。聖書は、3000年以上前のへブル人、そして2000年前のユダヤ人、ギリシア人に向けて書かれた書物ですから、21世紀に生きる日本人にとって読みやすい書物ではないことは明らかです。しかし、聖書は歴史の中で人間に与えられた神さまの言葉であり、現代を生きる私たちにも神さまの言葉は語っています。ですから、私たちは聖書がよく分かるように、そして誤解が起こらないように、聖書の特徴を踏まえて読むことが大切です。
まず、聖書は神さまのメッセージであるがゆえに、永続的妥当性を持っています。つまり全ての時代、全ての民族に対して語っています。同時に、聖書は歴史の中の人間のことば(旧約聖書は主にヘブル語、新約聖書はギリシア語)を用いて書かれたので、歴史的特殊性も持っています1。その当時の文化や生活、人々の考え方を前提として書かれているということです。この永続的妥当性と歴史的特殊性を踏まえて聖書を読むためには、具体的にどのようにしたらいいでしょうか。まず最初に、私たちは、当時の人々が神さまのことばをどのように聞いたのかを、時代背景を踏まえて知ることが大切です。当時の人々がどのような課題を持っていて、神さまの言葉はその課題に対して何を語っているのかということです。そしてその上で、21世紀の今、神さまは私たちに何を語っているのかを探り、語られていることを聞くための準備として、私たち自身の課題についても知る必要があります。当時の人々が聖書のことばをどのように受け取ったのかを思い巡らし、現代を生きる私たちに何を語っているのかを聞くことが聖書を学ぶことであると言えるでしょう。次回は、聖書を読む上での助けとなる、聖書各巻の種類(ジャンル)について見ていきたいと思います。(笠川路人)
ゴードン・D・フィー、ダグラス・スチュワート 「聖書を正しく読むために[総論]」30-31頁

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://mikotoba.asablo.jp/blog/2018/11/04/8991074/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。