聖書の特徴を踏まえて読む その22018年11月11日

私の目を開いてください。私が、あなたのみおしえのうちにある奇しいこ
とに目を留めるようにしてください。       詩篇 119篇18節 
 
 旧・新約聖書66巻にはそれぞれ、書物としての種類(ジャンル)があり、その特徴を踏まえて読むことによって、理解が深まります。それでは聖書にはどれだけの種類が存在するのでしょうか。一般的な分類では、聖書の66巻の順序に従って、以下の8つのグループに分けることができます。
1. モーセ五書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)
2. 歴史書(ヨシュア記からエステル記まで)
3. 詩書(ヨブ記、詩篇、箴言、伝道者の書、雅歌)
4. 預言書(イザヤ書からマラキ書まで)
5. 福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)
6. 教会の歴史(使徒の働き)
7. 手紙(ローマ人への手紙からユダの手紙まで)
8. 黙示録(ヨハネの黙示録)
 これらの種類ごとに文体(文章のスタイル)が異なるので、その表現方法や修辞技法に注意を払うと、著者の意図や伝えたいことを理解しやすくなります。例えば、詩篇はイスラエルの民の祈りと賛美を集めた書物なので、感情的な表現が多く見受けられます。著者の感情が直接的に語られているだけに、読み手にとっては素直に受け入れやすい箇所とそうでない箇所があるでしょう。イエス・キリストの生涯が記された福音書は、ストーリーの部分は読みやすくても、たとえ話やその教えの中には理解するのが難しいものもあります。それでは次回以降は幾つかの種類(ジャンル)を取り上げて、具体的に読み方のポイントを見ていきたいと思います。(笠川路人)