拒む前にすべきこと2021年03月28日

主はサムエルに言われた。「民があなたに言うことは何であれ、それを聞き入れよ。なぜなら彼らは、あなたを拒んだのではなく、わたしが王として彼らを治めることを拒んだのだから。…」               サムエル記第一 8章7節

 当時のイスラエル社会の霊的指導者であった預言者サムエル。そのサムエルに民が語った内容が、下記のものでした。

彼に言った。「ご覧ください。あなたはお年を召し、ご子息たちはあなたの道を歩んでいません。どうか今、ほかのすべての国民のように、私たちをさばく王を立ててください。」                    サムエル記第一 8章5節

 預言者サムエルが、しっかり自分の子どもたちを育てていれば、民から拒まれることはなかったのでしょうが、そうではなかったからこそ、民は「ほかのすべての国民のように…王を立ててください」と語っているのです。
 その民の思いが、サムエルには「悪しきこと」と見えたので、神さまに祈ります。その祈りの答えが、冒頭聖書箇所です。このやり取りの中で注目したいことは、「民が王を求めること」の神さまの前における見え方です。
 それは、「あなた(サムエル)を拒んだのではなく、わたし(神さま)を拒んだ」という見え方です。同じような表現が、出エジプト記にも記されています。

モーセはまた言った。「(中略)あなたがたの不平は、この私たちに対してではなく、主に対してなのだ。」                出エジプト記 16章8節

 ここでも民のモーセに対する不平が、「この私たち(モーセたち)に対してではなく、主に対してなのだ」とあります。批判的、拒否的になりやすい私たちも気を付けないと、神さまの目には、「主に対して」の批判、拒否と受けとめられているのかもしれません。批判する前に、拒む前に私たちがなすべきこと、それは「祈り」です。神さまに祈ることです。今週も、教会のリーダーたちのために、また行政のリーダーたちのために祈りましょう。        (吉持日輪生)