伝道する以前の働きについて2019年10月27日

私はあなたの純粋な信仰を思い起こしています。そのような信仰は、最初あなたの祖母ロイスと、あなたの母ユニケのうちに宿ったものですが、それがあなたの
うちにも宿っていることを、私は確信しています。
                      テモテへの手紙第二 1章5節  

前回取り上げた「神さまの宣教の働き」ですが、神さまは一人一人の人生にも具体的に働いてくださる方です。私たちが伝道に携わる時に、神さまの働きを実際に見ることができます。もちろん、伝道においては、イエスさまを救い主として心の中に受け入れる信仰決心が最も重要な出来事であり、私たちはその実現のために祈ります。しかし、信仰決心に至るまでに、時には教会に来るずっと前から、人生の様々な出来事や経験を通して、神さまはご自分のことを知る機会を与えてくださっていることがあります。小さい時に教会学校に通っていたり、ミッションスクールで聖書を学んでいたというストーリーは、洗礼式の証しでたびたび耳にする内容です。特に家族や親戚がクリスチャンであったり、学校の友人や職場の同僚が教会に通っていたという経験は、その人がイエスさまの救いへと導かれるための大きな一歩になることを覚えます。上記に取り上げたテモテへの手紙第二のみことばは、クリスチャン家庭にテモテが生まれたことが、彼の信仰に大きな影響を与え、祖母ロイスと母ユニケの信仰を継承していったことが書かれています。驚くべきことに、クリスチャンや教会に今まで全く接点がなかったという人であっても、聖書の学びを進めて行くうちに、過去の人生に確かに働いて下さっている神さまの導きを見出すことがあります。大切なことは、私たちがある人に伝道したいという思いが与えられた時に、神さまはその人が救われることを願っておられ、その人の人生の中で、救いへと導くための働きを既に始めて下さっていることを知ることです。ですから、伝道において過去の経験や今まで歩んできた人生を分かち合うことは、その人へのキリスト者としての証しになると同時に、伝道をする以前に働いて下さっている神さまの力をその人の人生の中に発見することにもなるのです。(笠川路人)