「数」から「賜物」へ2017年09月10日

こうして相続地は、一つの部族から他の部族に移してはならない。イスラエル人の部族は、おのおのその相続地を堅く守らなければならないからである。
                                民数記36章9節 

 民数記もついに最後の章、36章になりました。この章を読み終えての感想は、とても淡々とした終わり方だなあというものでした。けれども一方で、今から数千年前の人々も、現代の人たちと同じような問題に直面していたんだなあとも思わされました。3節「もし彼女たちが、イスラエル人の他の部族の息子たちにとついだなら、彼女たちの相続地は、私たちの父祖の相続地から差し引かれて、彼女たちがとつぐ部族の相続地に加えられましょう。こうして私たちの相続の地所は減ることになります」と、相続地減少を心配しています。
 そして、その心配の根底にある思いは、2節「主は、あの土地をくじによってイスラエル人に相続地として与えるように、あなたに命じられました。そしてまた、私たちの親類ツェロフハデの相続地を、彼の娘たちに与えるように、あなたは主に命じられています」。つまり神さまから命じられ、神さまから与えられた相続地の減少を危惧していることがわかります。
 さて、この淡々と記されている民数記36章から私たちが学べることは、何でしょうか。その一つは、神さまが私たちひとりひとりに与えてくださっている相続地(賜物)が減ることへの関心でしょう。民の数を数えるところから始まった民数記、そこからは「数」への関心が見えてきますが、最後は、「数」ではなく「相続地(賜物)」に関心が向けられています。神さまから与えられた相続地に対して上記聖書箇所でも「堅く守らなければならない」と書かれているように、私たちも神さまから与えられている相続地(賜物)を堅く守る責任があることを教えられます。
 ローマ人への手紙11章29節を思い出します。「神の賜物と召命とは変わることがありません」。今週も、神さまから与えられている賜物をしっかり管理し、かつフルに活用し、地の塩、世の光として歩ませていただきましょう。
                           (吉持日輪生)

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