聖書から聞くことを学ぶ2019年06月23日

イエスは、これらのことを話しながら『聞く耳のあるものは聞きなさい。』と叫ばれた。                ルカの福音書8章8節b                                   
 聖書は「聞くこと」の重要性についても教えています。初代教会のリーダーであったヤコブは「聞くには早く、語るには遅く、怒るにはおそいようにしなさい」(ヤコブの手紙1章19節)と語り、「聞くこと」を優先することの大切さを教えています。私たちの日々の生活の中において、十分に聞くことをしなかった時に、不適切な発言をしたり、誤解から生まれる怒りが生じたりすることがあります。
 イエスさまは宣教活動において、「聞く耳のあるものは聞きなさい。」と何度も言われました。ここでイエスさまが語られたことは、みことばから聞く(神さまが聖書を通して、語ってくださることを聞く)ことの大切さです。イエスさまが群衆に語られた、ルカの福音書8章の「種まきのたとえ」では、聞く者の心の状態について、道ばた、岩の上、いばら、良い地の4つの土地をたとえとして説明されました。まず、よく聞くためには、心が整えられ、良い心を持って受け止める準備が出来ていることが必要です。
 パウロは「信仰」と「聞くこと」の関係について説明しています。「信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです。」(ローマ人への手紙10章17節)神さまのみことばを聞くことを通して、信仰が育まれ、神さまとの関係が構築されていきます。そして、みことばを聞くことは、時に忍耐を必要とします。なぜなら、目の前にある現実や状況に対して、神さまが何を語られているのか、謙遜に聞き続ける態度が求められるからです。だからこそ、みことばから聞く経験は、その人の信仰を育み、良い聞き手となるための基礎作りとなります。それでは次回は、偉大なカウンセラーと呼ばれるイエスさまの聞き方や、初代教会の中心人物であったバルナバの「聞き手」としての性質を見ていきます。(笠川路人)