家族から受けた影響を知ること2019年04月21日

力の限り、見張って、あなたの心を見守れ。いのちの泉はこれからわく。                 箴言 4章23節       

 バルナバコース第8課は「家族と育った環境、過去の経験の影響を知る」というタイトルで、生まれ育った家族から受けた影響や、過去の経験が私たちの性格や人格の形成にどう関わって来たかについて学びます。「なぜ家族なのか?」と質問される方もおられると思います。前回まで複数回にわたって「怒り」について学んできましたが、「怒り」といった感情がどのようにその人に表れてくるかは、その人自身の気質と同時に、その人が育った家庭環境が大きく影響していることがあります。例えば、私が生まれ育った家庭においては、声を荒げて怒りを表現することは滅多に起こりませんでした。そのような家庭に育ったがゆえに、家庭以外の世界(職場やその他の人間関係)において、怒りを爆発させている場面に遭遇すると、動揺してしまったり、その動揺を表(顔)には出さなくても、後でとても落ち込んだり、心が傷つくようなことが度々あったことを覚えます。逆に「怒り」が表現されない環境に育つと、「怒り」が沈黙や無視といった行動に導き、時には冷笑的な態度に導くことがあります。両親や育った家庭の価値観や行動を引き継いでいたとしても、逆に、反面教師として全く違う価値観を持ち、行動しようと努力してきたとしても、家族や育った環境から受けた影響は大きいと言えます。私自身は「怒り」を面に出さないという家族の文化を長年に渡って、良い気質だと思い込んでいました。しかし、30代を過ぎてから自分の中に押し込めて来た「怒り」が、私の行動や発言に深く影響していることを知り、そこから発生する問題や課題に取り組むようになってから、もう一度自らの育った環境や家族の気質について振り返る時間を持つようになりました。箴言の著者は、「力の限り、見張って、あなたの心を見守れ。」と語ります。私たちは信仰をもって、自らの心を見張り、見守る責任があり、いのちの泉が私たちの人生の歩みを通して湧き出る祝福を神さまから頂きたいと思います。次回は、私たちの心の中の「水面下を見る」というテーマについて考えます。(笠川路人)