エリフの怒り2025年06月29日

すると、ラム族のブズ人、バラクエルの子エリフが怒りを燃やした。彼は、ヨブが神よりも自分自身のほうを義としたので、ヨブに向かって怒りを燃やしたのである。彼はまた、その三人の友に向かっても怒りを燃やした。彼らがヨブを不義に定めながら、言い返せなかったからである。
                    ヨブ記32章2~3節

 これまで読み進めてきたヨブとヨブの友人たちとのやり取りにおいても、お互いに感情的になるところはありましたが、ヨブ記32章から登場するラム族ブズ人、バラクエルの子エリフは、感情的どころか「怒りに燃えて」と記されています。冒頭で引用した個所には、エリフの怒りについて、3回「怒りを燃やした」という表現が登場しています。
 これまでも、ヨブとヨブの友人テマン人エリファズとのやり取りで、エリファズが感情的になることで、それに呼応してヨブも感情的になっている時がありましたが、「怒り」に関しても同様、「怒り」には「怒り」が返ってくることになります。しかし、ヨブ記32章以降を読み進めると、ヨブの「怒り」の発言は登場しません。その理由は、下記のエリフの状況から想像することができます。

私にはことばがあふれていて、内なる霊が私を圧迫しているからだ。今、私の腹は抜け口のないぶどう酒のよう。新しい皮袋のように、張り裂けようとしている。
                         ヨブ記32章18~19節

 エリフのことばは、32章から始まりその後も、ほとばしるように33章、34章、35章、36章、37章と続きます。そして、結局エリフの発言に続いて語り始めたのは、主(神さま)でした。

主は嵐の中からヨブに答えられた。
                         ヨブ記38章1節

 怒りに燃えて語ったエリフに対して、ヨブはそれに圧倒され、何も答えられなかったのかもしれません。または主(神さま)が、怒りの連鎖を断ち切るために、ヨブが答える前に介入されたのかもしれません。このようなエリフの発言からは、「怒りに燃える」エネルギーのすごさ、すさまじさ、巨大さを感じます。そしてその人間の燃えたぎった「怒り」を止めることができるのは、神さまだけであることも教えられます。
 今、世界に漂っている様々な「怒り」の連鎖に、神さまが介入してくださり、「怒り」の連鎖が断ち切られるように祈りましょう。         (吉持日輪生)

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