したたかさ、素直さ、素晴らしさ2023年11月26日


イスラエルの王はヨシャファテに言った。「私は変装して戦いに行きます。しかし、あなたは自分の王服を着ていてください。」イスラエルの王は変装し、彼らは戦いに行った。  
                    歴代誌第二18章29節

 歴代誌第二18章を読んでいると、イスラエル(北王国)の王アハブのしたたかさ、ユダ(南王国)の王ヨシャファテの素直さ、そして神さまの御業の素晴らしさを教えられます。
 冒頭引用箇所は、イスラエル(北王国)の王アハブのしたたかさが見えてくる個所です。イスラエルの王アハブは、ユダ(南王国)のヨシャファテに、自分は変装して戦いに出ることを伝え、一方ヨシャファテには、変装しないで王服のままで戦いに出るように勧めます。ヨシャファテは、何の疑い、何の疑問も抱かずにそれに従います。ヨシャファテ王の素直さが現われています。この提案の背景を知ることができる個所は30節です。

アラムの王は、自分の配下の戦車隊長たちに次のように命じた。「兵とも将軍とも戦うな。ただイスラエルの王だけを狙って戦え。」
                   歴代誌第二18章30節

 アハブ王(イスラエル、北王国)は、このようなアラム王の戦い方を予想していたからこそ、「自分は変装し」「ヨシャファテ王には王服のままで行かせた」のでしょう。アハブ王の魂胆は、ヨシャファテ王を自らの身代わりにするつもりだったのかもしれません。
 しかし、全てをご存知である神さまは、何をなされたでしょうか。

そのとき、ある一人の兵士が何気なく弓を引くと、イスラエルの王の胸当てと草摺の間を射抜いた。王は戦車の御者に言った。「手綱を返して、私を陣営から出させてくれ。傷を負ってしまったから。」その日、戦いは激しくなった。イスラエルの王は、アラムに向かって夕方まで戦車の中で立っていたが、日没のころになって死んだ。
                    歴代誌第二18章33~34節

 名もなき一人の兵士が何気なく放った矢が、変装していたイスラエルの王(アハブ)の「胸当てと草摺の間」という狭いところに命中し、それが致命傷となりアハブ王は死にます。
 アハブ王のように要領よく、かつしたたかに生きても、神さまの御業は、そのような人間の働きで変えられるものではないことを教えられます。今週も神さまと共に歩みましょう。                      (吉持日輪生)