ソロモン時代の平和2023年09月17日

ソロモンが主の宮と自分の宮殿を二十年かけて建て終えたとき、
                           歴代誌第二 8章1節

 ソロモン王の生没年は、はっきり聖書から読み取れませんが、聖書辞典などでは紀元前990年頃に誕生し、紀元前931年に亡くなったと記されています。そうなると約60年間の生涯の内、40年間が王の在位期間で、その在位期間の20年間が神殿と宮殿の建築期間になります。つまり全生涯の3分の1が神殿と宮殿の建築期間で、全在位期間の約半分が神殿と宮殿の建築期間となります。この状況をどのように見るのかは、それぞれの見方があるでしょうが、私はこの個所を調べながら、「シャローム(平安、平和)」から名付けられた「ソロモン」らしい生涯なんだと感じました。
 特に私たちは、2022年2月24日以降、ロシアによるウクライナ攻撃の映像に日々触れ続けています。その映像の中には、多くの建物が破壊されていく場面が流れています。まさに「戦争」は破壊であり、「平和」は生み出すことであり、再生なのでしょう。そのことを思い巡らすと、ソロモン王時代の平和な状況が、まさに神殿と宮殿建築に現れているのです。
 今回取り上げている歴代誌第二8章には、神殿と宮殿建築のことだけでなく、「ヒラムが彼に返した町々を建て直し」(2節)、「荒野にタデモルを建て、倉庫の町々をすべてハマテに建てた」(4節)と記されています。
 しかし、人は確かに「戦争の時」「平和な時」で様々な影響を受けますが、ダビデ王、ソロモン王から教えられることは、人は置かれている環境が「争いの時」「平和な時」でも、その環境、その状況に関係なく、罪人であることです。争いに満ちたダビデ王も罪を犯し、平和に満ちたソロモン王も罪を犯しています。
 ですから聖書はこのように教えています。

みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。忍耐の限
りを尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい。 
                        テモテへの手紙第二 4章2節

 今週も、みことばにたって日々歩みましょう。 (吉持日輪生)