「ソロモンの神殿」の大きさから考えたこと2023年08月20日

神の宮を建てるために、ソロモンが据えた礎は次のとおりである。長さは、古い尺度のキュビトによると六十キュビト、幅は二十キュビト。
歴代誌第二 3章3節

 上記聖書箇所に登場する「キュビト」とは、旧約聖書時代の長さの単位です。聖書辞典などを見ると「1キュビト」は「0.445メートル」とあります。これをもとにキュビトをメートルに換算すると、ソロモンが建てようとしていた「神の宮(神殿)」の大きさが分かりやすくなります。
 長さ60キュビトは、26.7メートル。幅20キュビトは、8.9メートルです。この数字から神殿の建築面積も出てきます。26.7m×8.9m=237.63㎡です。これは日本でよく用いる土地の広さを現わす「坪」に換算すると約72坪です。
 例えば私たちの教会の礼拝堂と比較するとこうなります。この礼拝堂の建物全体の大きさは、長さ33.45メートル、幅が14.55メートルです。ですからソロモンが建てようとしていた神殿と比べると、この礼拝堂の方が大きいことになります。建築面積で比較すると、この礼拝堂は147.48坪、ソロモンの神殿は72坪です。つまりソロモンの神殿は、この礼拝堂の約半分の大きさだったことになります。かつてソロモンは、このように語っていました。

それにしても、神は、はたして地の上に住まわれるでしょうか。実に、天も、天の天も、あなたをお入れすることはできません。まして私が建てたこの宮など、なおさらのことです。  
               列王記第一8章27節

ソロモンは、神さまの大きさをしっかりと理解しつつも、その神さまを礼拝する神殿は、かなりコンパクトに造ったことになります。つまり「神殿」を神さまのサイズで造るのではなく、身の丈に合ったものを造ろうとし、神さまも身の丈に合った神殿を造るように導かれたということです。
私たちも次なる礼拝堂を考える時、この「身の丈に合った」神殿のことも考えながら備えていきましょう。
(吉持日輪生)

神殿に用いられた被造物2023年08月20日

その下に沿って、牛の像が周囲を取り巻いていた。一キュビトにつき十ずつの割合で「海」の周りを取り巻いていた。この牛は二段になっていて、「海」を鋳たときに鋳込んだものである。                  歴代誌第二 4章3節

 この章では、ソロモン王が神殿のために作った様々な備品について記されています。そしてそこには神さまの被造物が様々な形で用いられています。例えば冒頭に引用した3節には「牛」が鋳込まれていたとあります。さらに4節では「『海』は12頭の牛の上に据えられていた」ともあります。5節には「ゆりの花」、13節には「ざくろ」、と神さまの造られた植物が用いられています。
 神さまの被造物はそれだけではありません。1節には「青銅」、7節には「金」、17節には「粘土」と、これらのものも神さまの被造物として用いられています。
 しかし、ソロモンの「神殿」と「神殿備品」のために用いられた被造物の筆頭は、神さまに似せて造られた「人」です。

灰壺と十能と肉刺し、およびそれらに属するすべての物を、職人の長フラムがソロモン王のため、主の宮のために、磨き上げた青銅で作った。
歴代誌第二 4章16節

 用いられた「人」は、この「職人の長フラム」だけではありません、このフラムの下、「荷を担ぐ者7万人、山で石を切り出す者8万人、彼らを指揮する者3千6百人」(歴代誌第二2章2節、18節)。さらに「あなた(ソロモン)の熟練工たち、私の主でありあなたの父であるダビデの熟練工たち」(歴代誌第二2章14節後半)もいました。
 つまりこのように「神殿」も、「神殿備品」も、神さまの被造物が豊かに用いられ、組み合わされ、建て上げられ、作られていったのです。このように考えると「神殿建設」「神殿備品作成」も、今日の教会形成と重なると感じます。

キリストによって、からだ全体は、あらゆる節々を支えとして組み合わされ、つなぎ合わされ、それぞれの部分がその分に応じて働くことにより成長して、愛のうちに建てられることになります。
          エペソ人への手紙 4章16節

 今週も「キリストのからだなる教会」を、共に建て上げていきましょう。
(吉持日輪生)