受けるよりも与える2018年03月04日

13 あなたは袋に大小異なる重り石を持っていてはならない。
14 あなたは家に大小異なる枡を持っていてはならない。
15 あなたは完全に正しい重り石を持ち、完全に正しい枡を持っていなければならない。あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地で、あなたが長く生きるためである。          申命記25章13~15節

 旧約聖書申命記の時代から、人は偽ることに豊かで知恵を用いていたことが伺える箇所です。つまりこういうことです。小麦粉を仕入れる時は、大きい枡で仕入れ、売る時は小さい枡で売る。そうすれば、その差は自分の利益になる。確かにそのようなことをすれば儲かるでしょう。けれども隣人をだまして、自分の利益を増やす社会は、決して豊かでも、平和でも、幸せでもなく、そこには分裂、対立が生まれ、それが争いとなり、多くの人の命が失われることになります。ですから聖書も、「主があなたに与えようとしておられる地で、あなたが長く生きるためである」(15節)と書くのです。
 聖書は、他にもこのように書いています。
 「異なる二種類のおもり、異なる二種類の枡、そのどちらも主に忌みきらわれる」(箴言20章10節)。「まだ、悪者の家には、不正の財宝と、のろわれた枡目不足の枡があるではないか」(ミカ書6章10節)。
 またイエスさまは、隣人とのコミュニケーションの取り方として、このようにも言われています。「だから、あなたがたは、『はい』は『はい』、『いいえ』は『いいえ』とだけ言いなさい。それ以上のことは悪いことです」(マタイ5章37節)。
 そして聖書が記す究極は、次の言葉です。「このように労苦して弱い者を助けなければならないこと、また、主イエスご自身が、『受けるよりも与えるほうが幸いである』と言われたみことばを思い出すべきことを、私は、万事につけ、あなたがたに示して来たのです」(使徒20章35節)。
 今週も、神さまからの豊かな祝福を信じ、地の塩、世の光として「受けるよりも与える」道を歩ませていただきましょう。(吉持日輪生)

バルナバのように2018年03月11日

「彼はりっぱな人物で、聖霊と信仰に満ちている人であった。こうして、
大ぜいの人が主に導かれた。」       使徒の働き11章24節

 今週から茨木聖書教会の信徒教育コースであるバルナバコースについて紹介するシリーズを始めさせて頂きます。本コースは2016年から始まって、40名近い方が受講して下さっています。既に受講した方々にとっては、本シリーズが学んだことの復習になると思いますし、まだ受講していない方に対しては、コースについて興味を持って頂けるような内容になればと願っています。
まず初めに、「バルナバコース」という名前の由来ですが、それは使徒の働きの登場人物であるバルナバから来ています。「彼はりっぱな人物で、聖霊と信仰に満ちている人であった。こうして、大ぜいの人が主に導かれた。」使徒の働き11章24節。私たち茨木聖書教会がモデルとするアンテオケ教会は宣教のビジョンに生きる教会でした。アンテオケ教会の力強い成長は、もちろん聖霊の働きによるものですが、その中心人物であったバルナバの性格、つまりキリスト者としての成熟さがあったことを見ることができます。実は、バルナバの本名はヨセフでしたが、彼の性格とその働きから、「バルナバ」(慰めの子もしくは勧めの子)という名前がつけられていました。(使徒の働き4章36節)ペテロやパウロと比べると、バルナバという人物の説明や記述は限られていますが、人々を慰め、励ますバルナバの素晴らしい賜物によって、アンテオケ教会に代表される初代教会が力強く成長したことは事実です。
バルナバのように「りっぱな人」と聖書に記される人になるのは容易ではありませんが、バルナバの賜物である、「慰め、励ます」ことが出来るキリスト者になりたいと私たちは願います。アンテオケ教会のビジョンを確認しながら、アンテオケ教会で活躍したバルナバについて学ぶ。特に、私たちの課題である人間関係(自分自身についても)を深く学びながら、キリスト者としての成長を目指すことがバルナバコースの特徴です。次回はバルナバコースの構成について具体的に紹介させて頂きます。(笠川路人)

バルナバコースの構成2018年03月18日

「どうか父が、その栄光の豊かさに従い、御霊により、力をもって、あなたがたの内なる人を強くしてくださいますように。」       エペソ人への手紙3章16節

バルナバコースは全13回、約3ヵ月間の学びです。まず最初に、教会のビジョンと、茨木聖書教会が目標とするアンテオケ教会について学びます。それから福音の内容について再確認し、クリスチャン生活の基礎である祈りと聖書の読み方について、お互いに今までの経験を分かち合いながら、もう一歩、深い学びを行います。
(1) 教会のビジョンとアンテオケ教会(2)クリスチャンの確信、福音の再確認
(3) 霊的生活(祈り)について  (4)聖書の読み方 
 5回目から9回目までは、人間関係について学びます。聖書が教えている人間関係について確認し、育った環境や過去の経験を振り返りながら、より良い人間関係の構築の方法を学びます。人間関係について学ぶことの最終目標は、他の人を受け入れ、フォローするための「聞く」という奉仕に用いられることです。
(5) 聖書が教える人間関係 (6)霊的な友情を深める
(7) 感情のコントロール  (8)家族と育った環境、過去の経験の影響を知る
(9) 聞く技術と牧会ケアの実践
 10回目から13回目までは、奉仕や伝道といった実践的な内容について学びます。伝道の学びでは、「自分がなぜクリスチャンになったのか」という証しを作成します。
(10) 教会に生きる(奉仕とは)(11) 伝道について 基本的な考え方
(12) 伝道について 実践編  (13) クリスチャン日本人として生きる
 クリスチャンの成長のためには、聖書のみことばを通して神さまについて深く知ると同時に、自分自身についても知ることが重要です。過去2000年のキリスト教の伝統と歴史を活用しながら、現代の新しいアプローチも取り入れたのがバルナバコースです。グループで分かち合いながら、共に学ぶことで、教会での奉仕と宣教活動への励ましになることを期待しています。(笠川路人)

教会のビジョン、アンテオケ教会の始まり2018年03月25日

「さて、ステパノのことから起こった迫害によって散らされた人々は、フェニキヤ、キプロス、アンテオケまでも進んでいったが、ユダヤ人以外の者にはだれにも、みことばを語らなかった。」                使徒の働き11章19節

バルナバコースの第1回目は教会のビジョンについて学びます。ビジョンとは、「将来どのような発展を遂げていたいか、成長していたいかという構想や未来像」です。茨木聖書教会にはアンテオケ的センター教会というビジョンがありますが、それは使徒の働きのアンテオケの教会を模範とし、大宣教命令を忠実に実行するビジョンです。このビジョンが与えられた1984年当時は、「500人からなるセンター教会、献身者の派遣、教会を生み出す、宣教師を派遣する」という具体的な目標とともに、宣教プランが進められて行きました。現在までに、3つの教会を新たに生み出し、25年前に新会堂(水尾)を献堂しました。更には、30名以上の牧師、牧師夫人そして宣教師を各地に派遣してきました。現在は「アンテオケ2000プラン」に基づき、「茨木聖書教会が推進する6つの働き(伝道、交わり、教育、奉仕、礼拝生活、派遣)」に取り組んでいます。このアンテオケ教会のビジョンを通して、神さまは数多くの恵みと祝福を与えて下さいました。このバルナバコース1回目は、使徒の働きからアンテオケ教会について深く学ぶことを通して、神さまがアンテオケ教会に与えられた素晴らしい恵みと賜物について確認します。
使徒の働き11章19節を見ると、迫害によって散らされた人々が、エルサレムから各地方まで逃げて行って、そこで教会が形成されていったことが分かります。当時、アンテオケはローマとアレクサンドリアに次ぐ、ローマ帝国内第三の都市で、当時の人口は25万人(うちユダヤ人は2.5万人)と言われています。激しい迫害によって命からがら逃げて来た人々が、親類や縁者を頼ってアンテオケまでたどり着いたのは容易に想像できます。そこから想像できることは、アンテオケ教会は現在で言う、難民のような人々が集まってできた教会であり、もちろん経済的困窮もあったでしょう。しかし、イエス・キリストに対する信仰を堅く守り、寄り添い助け合う共同体でした。「難民の教会」これがアンテオケ教会の原点でもあります。
次回は、19節の後半にある、アンテオケに出来た最初の教会が、なぜユダヤ人以外にみことばを語らなかったのかについて、見ていきたいと思います。 (笠川路人)