神さまの選びの視点2017年10月29日

主があなたがたを恋い慕って、あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった。                                               申命記7章7節
 
 上記の聖書箇所は、私の好きな聖書箇所の一つです。神さまが、イスラエルという民を選ばれた理由を述べているところです。「あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった」。
 ここに神さまの選びの視点を見ることができます。神さまの目は、数の多さには惑わされないだけでなく、逆に数の少なさに目を留めてくださるのです。同じような神さまの姿を他の聖書箇所でも見ることができます。サムエル記第一16章7節で、預言者サムエルが、エッサイの子エリアブを見て「確かに、主の前に油をそそがれる者だ」と思った時、神さまがサムエルに言われたおことばです。「彼の容貌や、背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見るが、主は心を見る」。さらに新約聖書の福音書でも、イエスさまを通して神さまの視点の具体例が挙げられています。マルコ12章41~42節「それから、イエスは献金箱に向かってすわり、人々が献金箱へ金を投げ入れる様子を見ておられた。多くの金持ちが大金を投げ入れていた。そこへひとりの貧しいやもめが来て、レプタ銅貨を二つ投げ入れた。それは一コドラントに当たる」。紙幣のない時代、投げ入れていたのは硬貨での大金です。金属製の献金箱に投げ入れる時の音は凄まじかったことでしょう。そしてその音に反応して、人々の視線が献げた人に向けられることを彼らは喜びとしていたのでしょう。しかし、イエスさまは違いました。そのような中、イエスさまの目は、硬貨2枚を投げ入れた貧しいやもめに向けられていました。
 私たちは、神さまの前に取るに足りない者、小さい者、欠けだらけの者ですが、だからこそ神さまは、私を選び、私に目を留めてくださっているのです。
 そして、「わたしの目には、あなたは高価で尊い」(イザヤ43章4節a)と語ってくださるのです。その神さまからのまなざしに今週も慰められ、励まされながら歩ませていただきましょう。(吉持日輪生)