十戒-申命記5章と出エジプト記20章を比較して-2017年10月15日

安息日を守って、これを聖なる日とせよ。あなたの神、主が命じられたとおりに。
                     申命記5章12節
安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。 出エジプト記20章8節 

 申命記5章6節から「十戒」が記されています。「十戒」が記されている聖書箇所として、皆さんの記憶に最も強く残っているのは出エジプト記20章でしょう。けれども申命記5章にもしっかり「十戒」が記されています。しかも出エジプト記20章と申命記5章のそれぞれの「十戒」を比較すると、とても興味深いものが見えてきます。
 第1戒から第3戒までの、神さまに関する戒めの部分は、出エジプト記も申命記も全く同じなのですが、第4戒以降(第6戒「殺してはならない」、第7戒「姦淫してはならない」、第8戒「盗んではならない」以外)の私たちの生き方に関する内容の所は、様々な違いが生じています。そのことから、神さまに対する厳格な信仰姿勢を感じると共に、私たちの生き方に関しての緩やかさも感じられます。
 例えば上記第4戒、出エジプト記20章では「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ」となっていますが、申命記5章では「安息日を守って、これを聖なる日とせよ」となっています。つまり最初は「覚えて」だったのが、言い伝えられていく中で、よりわかりやすい、理解しやすい「守って」に変化したと考えられます。また同じ第4戒の中で、出エジプト記20章では「家畜」と表現されているところが、申命記5章では「あなたの牛、ろばも、あなたのどんな家畜も」と変化しています。これも時代が経つにつれ、「家畜」の種類が増え、具体的に明記するように変化したと考えられます。そして第10戒では、出エジプト記20章において「あなたの隣人の家を欲しがってはならない。すなわち隣人の妻・・・」となっていますが、申命記5章では「あなたの隣人の妻を欲しがってはならない。あなたの隣人の家・・・」と変わっています。これも、「隣人の家」を欲しがる問題より、「隣人の妻」を欲しがる問題が多い中で、入れ替わったと考えられます。
 このように2箇所の「十戒」を比較する中で、神さまに関しては、時代や、状況が変わっても厳格に唯一の真の神のみを敬い、信じることを教えられると同時に、私たち信仰者の生き方に対しては、時代や、社会状況の変化の中で緩やかに対応していく姿勢を感じ取ることができます。今週も、唯一の真の神さまだけを見上げ、生活については祈りつつ知恵をいただいて歩ませていただきましょう。
(吉持日輪生)