茨木聖書教会　みことば

「 私たちの主であり救い主であるイエス・キリストの恵みと知識において成長しなさい。このキリストに、栄光が、今も永遠の日に至るまでもありますように。アーメン。」 ペテロの手紙第二３章１８節

　神様は私たちが成長することを願っておられます。成長した人、すなわち成熟した人とはどのような人なのでしょうか。それは第一に、試練や問題の中にあっても常に肯定的に対処する人のことです。私たちは問題に直面するとき否定的になりがちです。文句を言ったり、つぶやいたりするものです。しかし成長した人は問題というプレッシャーの中でも肯定的な態度で、その問題に対処しようとするのです。イエス様は、十字架という苦難に直面する中で、「ご自分の前に置かれた喜びのゆえに、はずかしめをものともせずに十字架を忍ばれた。」（へブル人への手紙１２章２節）とあります。問題は問題だけで終わるものではありません。神様は問題を通して良きことを成し遂げられるお方です。神様はイエス様の十字架という苦難を通して全人類の救いを実現してくださったのです。
　第二に、成長した人とは他の人の必要に敏感な人のことです。子どもは自分のことばかりで他の人のことを考えることができません。たいへん自己中心的です。しかし成長して大人になると他の人のことも顧みるようになります。イエス様のご生涯を思うとき、イエス様はいつも周りの人々の必要に気づき、その必要に応えようとされました。ほんの少しでもご自分のことを優先することはありませんでした。イエス様は十字架に釘づけにされて苦しまれているときでさえ、ご自分を虐待し、十字架につけたローマの兵士たちのために、父なる神様にとりなしの祈りをささげられたのです。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」（ルカの福音書２３章３４節）と。苦しみの中でさえも、他の人のことを顧みるイエス様の態度に、成長した人の最も優れたあり方を見ることができます。
　私たちの成長の鍵は、自分の自己中心さを認め、謙遜になってイエス様を人生の導き手として受け入れ、イエス様から学んでいくことにあります。

「あなたがたがわたしにとどまり、わたしのことばがあなたがたにとどまるなら、何でもあなたがたのほしいものを求めなさい。そうすれば、あなたがたのためにそれがかなえられます。」　　 ヨハネの福音書１５章７節

　イエス様は「何でもあなたがたのほしいものを求めなさい」と言われました。私たちが祈って求めることはすべてかなえられるのでしょうか。その答えはいいえです。私たちの祈りが何でもかなえられるわけではないのです。上記の聖書箇所に、「何でもほしいものを求めなさい」と言われていると同時に、かなえられる祈りの条件が記されています。「あなたがたがわたしにとどまり、わたしのことばがあなたがたにとどまるなら」とあります。「わたしのことば」とは神様の言葉である聖書のことです。私たちが聖書を読み、学んで、私たちの心の中に神様のことばを蓄えることだと言うのです。そうすると、私たちは神様の考えがよく理解でき、何を祈り求めたらよいかを知ることができるからです。
　また、私たちの祈りがかなえられるために、私たちは神様との関係を正しく、正直なものにすることが必要だということです。私たちは絶えず神様のことばによって私たち自身を吟味しなければなりません。聖書に「あなたがたの咎が、あなたがたと、あなたがたの神との仕切りとなり、あなたがたの罪が御顔を隠させ、聞いてくださらないようにしたのだ。」（イザヤ書５９章２節）とあります。私たちは神様との関係を正しく保つために、正直に自分の間違いや過ちを認め、告白する必要があります。私たちが自分勝手な道に歩んでいるとき、神様との関係は壊れてしまい、私たちの祈りは答えられないのです。
　私たちの生き方が神様と一致しているかどうか、また私たちの願いが神様の思いと一致しているかどうかが大切です。では、私たちが神様と一致しているかどうかがどのようにしてわかるのでしょうか。それは私たちが聖書を熱心に読み、学ぶことによるのです。

「そういうわけだから、何を食べるか、何を飲むか、何を着るか、などと言って心配するのはやめなさい。」　　　　　　　　　　　　マタイの福音書６章３１節

　私たちはいつも何かを心配しています。心配はコントロールの問題です。自分では支配できない事柄を支配しようとすることから心配が起きるのです。私たちは健康の問題をコントロールすることはできません。また将来のこともコントロールすることはできません。子どもたちのこと、自分の仕事のこと、経済状況のことも、私たちはコントロールすることができません。さらに、どんなに心配したからと言って、問題の解決には役に立ちません。心配することは私たちを惨めにするだけです。心配するという言葉は、聖書の原語であるギリシャ語で心が分かれることを意味しています。すなわち、心配とは心が分かれて、考えがまとまらず、ただ混乱するばかりの状態を指す言葉です。
　私たちが何かを心配しているとき、私たちは神様のことを忘れています。神様がどのようなお方であるかが、私たちの心から飛んでいってしまっているのです。たとえば、子どもたちは何を食べるか、何を飲むか、何を着るかについて心配する必要はありません。それらのものはみな親がちゃんと準備してくれていることを知っているからです。心配しないで過ごすためには、第一に、あなたが神様のことをよく知ることです。神様がどのようなお方であるのかを知ることです。新約聖書のピリピ人への手紙４章１９節に「私の神は、キリスト・イエスにあるご自身の栄光の富をもって、あなたがたの必要をすべて満たしてくださいます。」とあります。神様は何でも私たちの願いを叶えてくれるというのではありません。私たちにとって本当に必要なものをすべて満たしてくださるというのです。
　第二に、神様に信頼することです。ペテロの手紙第一５章７節に「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。」とあります。神様は怖い恐ろしいお方ではありません。私たちを愛し、小さなことでも心配していてくださるお方です。

「御使いは彼らに言った。『恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。』」　　　　　ルカの福音書２章１０節

　クリスマスのメッセージの一つは「恐れるな」です。ルカの福音書１章から２章にかけてクリスマスの出来事が記されていますが、その中で御使いが繰り返し語る言葉が「恐れるな」です。神殿で神様の御前で仕えていた祭司のザカリヤに御使いガブリエルが現れて、ザカリヤとエリサベツの老夫妻に男の子が生まれることを告げました。そのとき、恐怖に襲われていたザカリヤに御使いは「恐れるな」と語ったのです。ザカリヤに与えられた男の子はやがてバプテスマのヨハネと呼ばれ、イエス様の先駆者として、イエス様の働きを準備する人になりました。
　同じ御使いは敬虔なマリヤに現れて、「マリヤ、神から恵みを受けたのです。あなたはみごもって、男の子を生みます。その名をイエスとつけなさい」と告げました。そのとき、ひどく戸惑い、恐れるマリヤに御使いは「恐れるな」と語ったのです。やがてマリヤは救い主イエス様を生んだのです。また、ベツレヘム郊外で、夜、羊の番をしていた羊飼いたちに御使いが現れ、救い主の誕生を告げました。そのとき、ひどく恐れていた羊飼いたちに「恐れることはありません」と語ったのです。
　クリスマスが私たちに語っているメッセージは「恐れるな」です。それは私たちがみな多くの恐れに取り囲まれて生きているからです。２千年前、世界で初めてのクリスマスの時も、人々はさまざまな恐れの中に生きていました。また今日に生きる私たちも不安と恐れの中に生きています。仕事のこと、健康や家族のこと、将来のこと、大きな災害が起きることへの恐れなど、私たちは尽きることない恐れの中で生きています。しかし、神の御子イエス様のお誕生は私たちに「恐れるな」と語っているのです。それは神様が私たちを助け、救うためにイエス様を遣わしてくださったからです。だれでもイエス様を人生に受け入れるなら、確かな支えと守りを受けることができるのです。イエス様は言われます。「恐れるな。わたしはあなたとともにいる」と。

「すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。」　
　テサロニケ人への手紙第一５章１８節

　イエス様に従う私たちクリスチャンにとって毎日が感謝の日々です。たとえどんな人に出会っても、どんな問題に直面しても、どんな場所に置かれていても、またどんな時であっても、感謝にあふれて生きることができます。その理由の第一は、神様が私たちの側に立っておられるからです。聖書は言います。「神が私たちの味方であるなら、だれが私たちに敵対できるでしょうか。」と。（ローマ人への手紙８章３１節）私たちがたとえ一人であったとしても、神様が私たちの味方であるならば、絶対的で、だれも敵対することができないのです。だれであってもイエス様を救い主として受け入れ、人生の主とする時、神様はその人の味方になってくださるのです。
　第二に、イエス様が私たちのためにとりなしていてくださるからです。私たちは罪人です。絶えず罪を犯す者です。イエス様を信じてクリスチャンになっても、間違いや悪いことを仕出かしてしまう者です。悪魔は私たちの罪を暴き、神様の祝福に与かるに相応しくないと訴えます。しかしイエス様が私たちのために弁護者として執り成しくださいます。聖書は言います。「罪に定めようとするのはだれですか。死んでくださった方、いや、よみがえられた方であるキリスト・イエスが、神の右の座に着き、私たちのためにとりなしていてくださるのです。」と。（ローマ人への手紙８章３４節）イエス様は手にある傷を指し示して、「わたしがあなたのすべての罪のために十字架で身代わりに責めを負ったのだ」と証ししてくださるのです。たとえ私たちが最悪の事態に直面したとしても、恐れることは無いのです。
　私たちがイエス様を人生に迎え入れたとき、神様が私たちの側に立ってくださるゆえに、また、イエス様が私たちのために絶えずとりなしていてくださるゆえに、私たちはどんな状況の中に置かれていても、いつも感謝することができるのです。