20160515 旧約聖書の読み方2016年05月15日

さて、ヨシュアの死後、イスラエル人は【主】に伺って言った。「だれが私たちのために最初に上って行って、カナン人と戦わなければならないでしょうか。」                          士師記1章1節

前回は、旧約聖書は魂の救いのために読むということを確認しました。今回は、旧約聖書の読み方ということに注目します。
旧約聖書と新約聖書では、読み方を変える必要があります。なぜなら、旧約聖書と新約聖書では、その書物の構成に大きな違いがあるからです。新約聖書は、別個に書かれた書物の集合体です。パウロの手紙は、それぞれが異なった状況下によって書かれ、何か一つの物語で繋がっているわけではありません。また、福音書もそれぞれの福音書によって、それぞれの特徴やそれぞれの伝えたいことが異なることがあるため、福音書ごとの特徴や伝えたいことを理解しようとする必要があります。
一方で、旧約聖書は、歴史書という分類があり、創世記から始まりネヘミヤ・エズラまで順序通りに書かれ、並べられています。このように、旧約聖書は、その大部分が(具体的には、預言書や聖文書※を除く)一貫した物語であり、書物間に繋がりがあるのです。そして、この一貫した物語は新約聖書に繋がります。
このような構造がゆえに、旧約聖書は「順序通りに読む」ということが重要になってきます。具体的には、ある物語を読む上で、その物語が出エジプト記に登場するのであれば、それ以前の出エジプト記の箇所か創世記の記述をもって、理解していくということです。
上の箇所を見てください。これは士師記の冒頭部分ですが、「さて」という言葉で始まっています。原語のヘブライ語でも接続詞である וְ が使われており、前の書物との関連があることが表されています。このように、旧約聖書は各書物が繋がっているのです。
旧約聖書を豊かに読むためにも「順序通りに読む」ということを意識して読みましょう。
※聖文書=ヨブ記、詩篇、箴言、伝道者の書、雅歌。  (吉持尽主伝道師)