内側にある罪との戦い2021年12月05日

その後のことである。ダビデの子アブサロムに、タマルという名の美しい妹がいた。ダビデの子アムノンは彼女に恋をした。       サムエル記第二13章1節

 サムエル記第二13章は、前章に記されたダビデ王の罪が、神さまの前では赦されますが、その罪によってダビデ王のまわりの闇が広がっていく様子を見ることができます。そしてそれは、ナタンの預言の中で語られていたことでした。

主はこう言われる。「見よ、わたしはあなたの家の中から、あなたの上にわざわいを引き起こす。あなたの妻たちをあなたの目の前で奪い取り、あなたの隣人に与える。彼は、白昼公然と、あなたの妻たちと寝るようになる。…」   サムエル記第二12章11節

 まさにナタンを通して語られた神さまのことば「わたしはあなたの家の中から、あなたの上にわざわいを引き起こす」、このことが今回の13章から始まります。
 冒頭に引用した個所に記されている人物、アブサロムも、タマルも、そしてアムノンも、ダビデ王の子どもです。さらにアムノンに知恵を与えたヨナダブも、「ダビデの兄弟シムアの息子」(サムエル記第二13章3節)と記されていますので、ダビデ王の家の者です。
 ダビデ王は、外の敵との戦いに勝利をおさめ続けましたが、自分の内側にある罪という敵、またダビデ王の家の中にある罪という敵には、振り回されます。それが、ナタンを通して語られた「わざわい」の始まりでした。
 クリスチャンの信仰生活も、様々な外から来る悪に対しては、しっかりと戦えても、自分の内側にある罪との戦いには苦戦し、様々な困難、わざわいを経験します。しかし、神さまは、そのような状況からも助け出してくださいます。

私はこう確信しています。死も、いのちも、御使いたちも、支配者たちも、今あるものも、後に来るものも、力あるものも、高いところにあるものも、深いところにあるものも、そのほかのどんな被造物も、私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできません。
ローマ人への手紙8章38~39節

 「主キリスト・イエスにある神の愛」は、神さまの被造物の一つである「私という罪人」によっても、私たちから引き離すことはできません。アドベント2週目、勝利をもたらしてくださったイエスさまのことを思い巡らしつつ歩みましょう。     (吉持日輪生)