日本のキリスト教会が取り組んできたこと2019年12月22日

こういうわけで、あなたがたは、食べるにも、飲むにも、何をするにも、
ただ神の栄光を現すためにしなさい。   
コリント人への手紙第一 10章31節
                     
 日本のキリスト教会は日本独自の文化や風習に対して、どのように対応してきたのでしょうか。教会は、日本社会で当たり前に神社やお寺で行われてきた風習や儀礼に対して、その代替としてさまざまな儀式や行事を執り行ってきました。海外の教会で1年過ごすと、日本の教会がいかにオリジナリティにあふれた土着化を図ってきたかということが分かります。例えば、日本の教会では結納の代わりに婚約式を行います。留学のため滞在していたカナダでは、婚約式は存在せずに、個人もしくは家族や友人を招いて、エンゲージメント・リング(婚約指輪)を渡すのが一般的でした。お葬式の前に行う前夜式は、仏教式葬儀のお通夜の代替であり、一周忌の代わりとして記念会を持つケースもあります。献児式はお宮参りの代わり、そして児童祝福式は七五三の代替としての役割を持っています。さらには、定礎式は地鎮祭の教会版であり、元旦礼拝は、初詣の代替と言えるでしょう(ちなみにカトリック教会では、1月1日に全世界でNew Year Day Mass [新年ミサ]を行っています)。私が子どもの頃の話ですが、茨木聖書教会では12月31日の夜に除夜の鐘が鳴る中で、除夜祈祷会を開催していた時期もありました。これらの日本の教会独特の儀式は、日本の社会や文化への適応を進めてきた結果と言えます。加えてクリスマスやイースター、そして母の日や父の日など、西洋キリスト教文化から持ち込まれた祝日も教会はお祝いするのですから、1年を通じて様々な行事と儀式が行われています。現在の日本の教会の歩みそのものが、土着化の努力の結果であり、これからも教会は社会の変化に合わせて、対応し続けることでしょう。地域にあって、神さまの栄光を現わすために、既存の文化や風習の持つ意味を考えながら、日本の教会としてあるべき姿を求めて行きたいと思います。(笠川路人)

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