家族から受けた影響を考える2019年05月19日

あなたは私の歩みと私の伏すのを見守り、私の道をことごとく知っておられます。                     詩篇 139篇3節
       
 聖書の中に登場する二つの家族(アブラハムとダビデ)について見てきましたが、今回は私たち自身の家族について考えます。まず初めに、家族の価値観や大切にしてきたものを確認するために、以下の二つの質問を、過去を振り返りながら問いかけてみます。
 1.あなたの家族の中で繰り返し言われ続けてきたこと(言葉)は何だったか。
 2.あなたの家族にとって何が成功だったか(家族にとっての幸せの条件は何か)。
 家族の中で繰り返し言われてきた言葉を振り返る時に、家族が大切にしている価値観を知ることが出来ます。親や兄弟姉妹が口癖のように言っていた言葉は、私たち自身の価値観にも大きく影響しています。それは明確な言葉として話されることもあれば、言葉ではなく暗黙の了解として共有されていたことかもしれません。私自身の家族を振り返る時に、牧師家庭として教会に深く関わりのある家族であったために、「他人に(特に教会の方々に)迷惑をかけるようなことは避ける」という暗黙の了解があったことを思い出します。そしてこの価値観が、自分自身の子育てにも大きく影響していることを発見することがあります。
 二つ目の質問である「家族にとっての成功」とは、「あなたが何をしたら、何を達成したらあなたの家族は幸せか。」という問いでもあります。この問いを別の視点から見るならば、「どうしたら自分は家族から愛されているという安心感を覚えることができるか(できたか)」という質問になります。例えば、私の祖父の幸せの条件は、祖父と同じ職業であるエンジニアとして成功することであり、私が文系の進路を選んだことを報告した時に、少し失望した祖父の顔を今でも覚えています。逆に牧師である父は、私が仕事を辞めて、牧師を目指す決意を告げた時に、(表には出しませんでしたが)喜びを持って聞いてくれました。それらの家族にとっての成功や幸せの条件は、無意識的に私たちの人生の歩みや自己評価に影響を与えています。
 家族から引き継いだ価値観や幸せの条件は、私たちの歩みにどのように影響するでしょうか。それは、強い自己肯定感としてプラスに働くこともあれば、反対に叶えられなかった期待や希望が、マイナスの感情として拭えない不安感やセルフイメージの低さに繋がっている事があります。どの家庭環境においても、家族がその人に対して行き過ぎた結果を求めることは、神さまの私たち一人一人に対する無条件の愛を無視する行為に繋がりかねません。大切なことは、私たちが家族から受けた影響を知りながら、私たちを造り、私たちの人生を導かれる神さまの無条件の愛を知り、その愛に人生の基盤と価値観を置くことです。(笠川路人)

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