怒りに対する理解を深める(1)2019年03月24日

主は、あわれみ深く、情け深い。怒るのにおそく、恵み豊かである。 
                              詩篇 103篇8節                                   
 「怒り」という感情について理解を深めるために、聖書が「怒り」についてどのように語っているか学ぶことができます。聖書は「怒り」についてあまり取り扱っていないと思う人がいるかもしれませんが、実は「怒り」は聖書において、とても大切なテーマであることが分かります。「怒り」という単語自体は聖書で390回も出てきます(1)。民数記32章13節ではイスラエルの民に対する神さまの怒りが書かれ、ゼパニヤ書1章14-15節では「主の激しい怒りの日」について預言されています。逆に、詩篇103篇8-9節において、「神さまはあわれみ深く、怒るのに遅い方である」とも書かれています。新約聖書を見ると、ローマ人への手紙では、人間の罪に対する神さまの怒り(2章5節)と、イエス・キリストの贖いによる神の怒りからの救い(5章9節)が語られています。聖書が「怒り」について取り扱う箇所を見ていくと、実は「怒り」は神さまのご性質の一つであることが分かります。
 「怒り」は罪であると思う私たちにとって、怒りは神さまのご性質の一つであるという事実は受け入れにくいかもしれません。しかし、私たちが「怒り」の感情を持っているのは、神さまのかたちに似せて造られた人間である(創世記1章26節)からであり、「怒り」は神さまが私たち人間に与えられた大切な性質なのです。しかし、すべての怒りが受け入れられるわけではありません。私たちは注意深く、怒りと罪を切り離して考える必要があります。「怒っても罪を犯してはなりません。日が暮れるまで憤ったままでいてはいけません。」(エペソ人への手紙4章26節)と語られている通りです。「怒り」という感情を理解することを通して、罪を犯すことなく、「怒り」をコントロールし、向き合っていく歩みをさせて頂きたいと思います。続けて「怒り」について学んでいきましょう。
                                (笠川路人)
(1) Glenn Taylor and Rod Wilson “Helping Angry People” 33頁

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