手紙(書簡)の読み方とは2018年12月23日

あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから自分のからだをもっ
て、神の栄光を現わしなさい。     コリント人への手紙第一 6章20節         

手紙(書簡)は1世紀当時の教会もしくは個人に書かれたもので、新約聖書の後半に置かれています。教会そして個人のクリスチャンに宛てて書かれたものだけに、私たちにとっても身近に感じられる多くの具体的な教えと勧めが含まれています。しかし、具体的であるがゆえに、現代の私たちの状況にそのまま適用することが難しい教えが存在するのも事実であり、慎重な解釈が必要になります。例えば、コリント人への手紙第一11章で、パウロはコリントの教会の女性に対して、頭に「かぶり物」を着けるように教えていますが、現代の教会でこの教えを忠実に実践する教会は稀でしょう。手紙(書簡)を読む時には、数多く書かれている具体的な教えの中から、1世紀当時の教会に使徒を通して語られた神さまのことばが、21世紀の私たちに何を教えているのか解釈し、適用することが必要になります。
 手紙を解釈するために必要なことは、手紙には「読者」が存在し、「読者」の特定の状況があったことを理解することから始まります。そうすれば、手紙を慎重に読み進めていく時に、(ディボーショナル聖書注解や聖書ハンドブックも参考になります)2000年前の読者の抱えている課題と、著者が教えている内容の詳細について理解することができます。聖書の中心的なメッセージである「福音」や「救い」についての教えは現代も変わらない普遍的な内容ですが、1世紀当時の文化や風習に関わる内容については、その教えが本質的に意味することは何かを考えます。先程の「かぶり物」については、当時の(かぶり物を着けるという)慣習を破ることによって、礼拝において神さまから注意をそらすことはすべきではないという原則を見ることができるでしょう1。私たち自身の存在と行動を通して、神さまの栄光を現わすことができることは何か、手紙から学ばせて頂きたいと思います。(笠川路人)
ゴードン・D・フィー、ダグラス・スチュワート「聖書を正しく読むために[総論]」130頁

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